「日本を元気に、岐阜からの風、水うちわ展」の作品をご覧ください。
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ひとことに和紙といっても千差万別です。伝統的工芸品である本美濃和紙のようにしっかりと決められた技法に基づいて、昔ながらの製法で作られている和紙が存在する一方で、手漉き和紙といっても楮パルプ呼ばれる水に溶かせばそのまま使える原料を漉いて作るもの。(牛乳パックからハガキを作るのと概ね同じ)またそれ以外にも、機械装置を使って作るものなど、作り方は様々です。どこからどこまで和紙と呼んでいいのか、紙を扱う私達も線引きには悩みます。
弊社はもともと提灯用の和紙を専門に絵付けなどの加工をして販売する会社として業務を営んできました。そんなニッチな産業が存在するのか?と疑問に感じるほど、特殊で特化された業務です。しかし、そんな仕事ですから、和紙に対する品質や特性など、製紙メーカーよりも良く理解していることもあるのです。私たちが水うちわの製造を始めたのは5年前からですが、それまでは水うちわどころか団扇用の和紙の生産もしていませんでした。ではなぜ私達は生産が途絶えてしまっていた水うちわを短期間で再生できたのでしょうか? そこでは提灯用の和紙を製造するノウハウが大いに役立っているのです。では、その理由はなんでしょうか?提灯用の和紙は私の知る限り和紙の中でも最も製造が難しく、ユーザーの求めるレベルが高い紙だと私は考えています。特に典具帖と呼ばれる提灯用の和紙は厚さが10g/㎡前後のもので、その薄い和紙には様々な適正が要求されます。絵をつける工程、提灯に張る工程、さらに完成した提灯には何回も広げたり畳んだりしても破れない耐久性も求められます。提灯用の和紙にはいくつかの制作工程に耐えながら、完成した後の動きにも追従する機能を持つ紙である必要があるのです。また、その和紙の上に描かれた絵にも同じ事が要求されます。折り畳みの動作を繰り返すうちに絵が剥がれたり割れたりすることは許されません。要するに、団扇に求められるより多くの要求に提灯用の和紙は答えなければならないのです。この積み重ねが弊社の和紙加工のノウハウになっているのです。
絵付けの作業は弊社の得意分野ですが、肝心の雁皮紙の再生はコルソヤードに任せるのが一番でした、それは彼らが提灯に使う極薄の和紙も既に制作していたからです。では、本題に移ります。なぜ「水うちわの美しさは美濃和紙の品質にかかるのか」それはズバリうちわの透明度に雁皮紙が大きく影響するからです。画像をご覧ください、ここにコルソヤードの作った雁皮紙と、機械製紙の雁皮紙を使って作ったうちわの比較画像を掲載します。これらはうちわ職人の浅野さんが紙以外の条件を全く変えずに作ったものです。
ニス塗る前のうちわ(左は機械で作った雁皮紙、右はコルソヤードの手すき)。この時点で既にひだり側の和紙には白くにごった感じがある。
ニスを塗った後のうちわ、透明度の違いがよくわかる。
どうですか?一目瞭然、うちわの透明度が全く違うでしょ?これを水に浸すとさらに団扇の紙は水に同化して見えなくなるのがコルソヤードの作る雁皮紙なのです。この違いはズバリ和紙の厚さと製造工程の差なのです。彼らの作る雁皮紙は団扇1本分の美濃版と呼ばれるA3ノビ程度の大きさで、2gを基準として作られています。この基準より厚いものでうちわを作ると同じように濁りが発生します。通常は1枚が1.8g前後のものを使います。この薄さを実現するために、本当に多くの手間をかけています。手すき和紙と聞いて思い浮かべる動作は紙をすく時の作業かと思いますが、それは全工程のほんの一部で全体の20%程度でしかありません。ほとんどの時間は地道な原料の処理に費やされています。
美しい雁皮紙を作るために最も時間をかける原料の下処理。
水の中で、ひたすらチリを取り除く作業が続きます。では、なぜこれほどの時間をこの工程に費やすのでしょうか?それは薄くて丈夫で綺麗な紙を作るためなのです。雁皮は植物の皮の繊維です、この繊維は人間の髪の毛と同じ、キューティクルを痛めて枝毛ができて切れやすくなるのと同じで、水の中で丁寧に繊維を痛める事なく下処理をしないと、出来上がる和紙の品質もそれなりになってしまうのです。通常の機械製紙では手漉きより多くの原料を必要とします、そのためコルソヤードと同じような原料処理をするととても多くの時間を必要とします。そのために薬品などでこれらの工程を省きます、それが理由で原料の鮮度が落ち、繊維も傷みます。さらにそれを補うために紙力増強剤などの薬品を添加します。ある程度までの和紙を作ることはできますが、一定の限界を超えることはできないのです。食品と同じで、見た目が同じであっても、無添加と添加物の加わった食品の味はぜんぜん違います。おふくろの味は腐りやすいかもしれませんが、食べ物が生きてるという感じがします。
では、機械製紙がダメなのか?というとそういう訳ではないのです、四国にひだか和紙有限会社という製紙会社があります。ここの会社は2g/㎡という驚異的に薄い、人間の手漉きの限界を超えた和紙を作ります。
なんだ、今までの話と逆じゃないかと思われますが、いいえ全く同じなのです。その理由は下処理にあります。この会社の作る和紙はHPでも確認していただけますが、コルソヤードの作る和紙と同じように人が手間をかけて原料の下処理をしています。機械製紙なのに原料処理はすべて手で行われています。手すき和紙との違いは漉き工程と、その後の乾燥工程だけなのです。良いものを作るには、どうしても省略できない部分あるのです、一見同じに見えても、掘り下げればその差は歴然としてきます。その工程を省略すればそれだけ大量に早く、安価なものを作る事が可能になりますが、犠牲になる部分もあるのです。紙漉きがある限界を超えるには妥協ができない工程が存在します。
違いはこれだけではありません。和紙についてここからさらに、掘り下げるてみます。ひだか和紙さんが機械で作るものと、コルソヤードが作る楮を原料とした厚さ8g/㎡の和紙を比較してみます。大きな工程の違いは2か所、漉きと乾燥です。本当に薄いものを安定して作るには機械製紙が勝っていることが、ひだか和紙さんのHPなどから理解していただけると思います。あまりに薄い和紙を作るには手すき和紙でいうところの圧搾(紙絞り)の行程があだになります。1枚1枚紙をはがして、板に張り付けて乾燥する工程が実現できないのです。機械製紙の場合にはこの工程は大きな鉄のドラムに軽く紙を押し当てて瞬間的に乾燥をするので、ゆっくりとしたスピードで連続的に運転することで可能になるのです。
乾燥ドラムの参考写真、写真左上部の大きな筒が乾燥ドラムです。画像はひだか和紙の製紙機ではありません。
手すき和紙ではこの工程を1枚1枚、板などに張り付けて天日で乾燥します。熱を持つ鉄板で短時間で乾燥する方法もありますが、水うちわ用の雁皮紙はちゃんと天日乾燥をしています。
この乾燥工程の違いでも出来上がる和紙に違いができるのです。それは水に塗れた時の強度に現れます。団扇も提灯もそれらを制作する過程で使用する絵具にも糊にも水分が含まれています。この水分が問題になるのです。乾燥しているときには機械で作ったものも、手で作ったものも強度にあまり違いはありません。しかし、濡れたときの話は別です。(手漉き和紙でも乾燥の時間短縮のために鉄板乾燥したものにも同じ差が現れます。)天日でじっくり時間をかけて乾燥した手すき和紙にはなぜかしら軽く水分を含んだときにでも直ぐには破れない強さが備わるのです。この微妙な強さが、提灯や団扇を竹骨に張る時の職人達に作業の安定感を与えて、綺麗な製品を作る事を可能にしています。提灯を張る職人さんの言葉を借りると、「和紙が溶ける」と表現します。強制乾燥した和紙は糊の水分を吸収して紙の形がなくなるのです、そのため綺麗な形の提灯やうちわを作ることが難しくなるのです。
究極の薄さを追求するには機械製紙に軍配が上がりますが、綺麗な提灯や団扇を作るには手すき和紙に軍配が上がるのです。何も足さない、何も引かない作り方をこころがける美濃手すき和紙は1300年を経た今でも、その製法には現代のテクノロジーを超える利点を秘めています。
余記
ひだか和紙さんの典具帖紙は素晴らしい紙です。和紙が水分を含んだときの柔軟さは複雑な形の国宝の修復に多いに役立っています。和紙の製法によってできる特性はそれどれの個性となり、活躍する場が与えれます。和紙の持つ個性を無視して別の場面で使用しても良い結果は得られないと感じています。コルソヤードの作る雁皮紙を使用した水うちわは弊社の水うちわだけです。
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少し前に食品偽装の問題が数多く取り立たされましたが、私の知る限り工芸品にも偽装は数多くあります。食品と同じ様に、生産地や原料を本来とは違う表示をして消費者をごまかす「なりすまし商品」は存在します。
数年前の和ブームと言われた頃には、タイ王国原産のSAA PAPERを和紙として販売している店舗は比較的多く存在していました。最近はあまり見かけなくなりましたが、紙の表面がボコボコしているので、いかにも手作りの和紙という感じがします。少し前の話になりますが、表面が平らな美濃和紙をお客さんに見せると、逆に機械で作った和紙だと言われたりする事もありました。
また、こんな話もあります。和紙を作る時に「ネベシ」というトロロアオイという名前の植物の根を使用しますが、この根は秋に収穫したものを保存して1年間使用します。そのために防腐剤を使用するのですが、この薬品の臭いが漉いて間もない和紙は残る事があります。そのため、それが和紙の臭いだと思い込んでいる方もあります。これは生産者の責任でもありますが、和紙の定義はかなり曖昧で、時には全く違うものを和紙だと思っている方も少なくありません。
しかし、少なくても弊社1/100brandが言うところの「美濃和紙」は美濃で作られた和紙であり、「美濃手すき和紙」は美濃の職人が美濃で漉いたものを指しています。また、多くの人もそのように思っているのだと思います。土佐和紙は土佐で、越前和紙は越前でつくられているとの認識が一般的なのだと思います。1/100brandでは正しい美濃和紙を市場に伝える事を、ブランド製品市場化の目的の一つとして考えています。
ところが、なりすましメールのように、発信元が知人であれば、そのメールは信用できると思いこむのと同じ様に、美濃周辺の会社が販売している製品は、例えば海外で生産されたものであっても、何人かの人は美濃で作られたものだと善意に考えてくださいます。製品に関して、多くを語らず、多少安価に販売すれば、出版社もよく調べないで*「美濃雁皮紙を使用」とか書いてくれたりします。また、「水うちわ」というキーワードの横に「美濃和紙」というキーワードを並べるのも「なりすまし」には効果的かもしれません。美濃和紙を使用した事実が無いとしても、誤解を生む事もあるのです。
そういえば1年ほど前、四国の製紙会社で製造された化学繊維を原料とした紙に絵を付けて、○○町に吊り下げた提灯が美濃和紙で作られた提灯だと、地元の新聞に大きく報道されていた事がありました。これなんか典型的な「なりすまし」かもしれませんね。
「なりすまし」の製品を判断するには、文章をよく読むと区別できます。多くの製品の説明には原材料や、原産地等の情報は記載されていません。例えば水うちわの場合には、それに使われている和紙の種類や、竹骨の産地、それらを作った場所が日本なのか、国外なのか等です。情報が無いという事は、それらを開示したくないという生産者の意図を読み取る事が出来ます。情報開示が製品にとって不利になるからでしょうか?{竹を割り、紙を貼る職人の技をいかした手作りの「水うちわ」}と書かれていても、その職人は遥か中国の人かもしれません。
よく中国はコピー大国だと揶揄されますが、この原因は中国人だけのせいだとは言えないと私は感じます。コピー製品を作らせて買う日本人バイヤーが存在する事も重要な理由です。日本の工芸品も同じように、日本から売れ筋の製品を持ち込み、その模倣品を中国で作らせて、少し安価に販売をする。この繰り返しが、生産者の創造意欲や労働意欲を無くし、国内産業の空洞化を生み、ひいてはデフレスパイラルに至る一旦を担っているのだと、私は考えます。誰しも始めは夢を抱いて海外貿易を始めるのでしょうが、現実のビジネスの中で業務を繰り返す間に、いつの間にかミイラ取りがミイラになるように、「モノ」作りがただのお金儲けの目的となってしまうのでしょうか?残念ですが、工芸品の世界にも、このような人物は一部ですが存在しています。
ところで、弊社の「水うちわ」ですが、何人かの日本の職人達が協力して製品を作っていますので、あたらめて此処で紹介をさせて頂きます。
@美濃和紙(雁皮紙・落水楮紙)
生産者:コルソヤード(澤木健司、倉田真)
@美濃和紙(雁皮紙)団扇の縁用
生産者:幸草紙工房(加納武)
@美濃和紙(楮紙、高橋理子:REN・ひびのこづえ:ひとさし、まる)
生産者:保木工房(保木成敏、松浦さとみ)
@団扇竹骨、貼り
生産者:浅野貴徳
@団扇絵付け(刷り込み)
生産者:家田忠幸
@団扇ニス塗り
生産者:久世敏康
本年も1/100brand ・家田紙工株式会社の水団扇を宜しくお願い致します。
家田紙工株式会社 代表取締役 家田 学
*美濃雁皮紙:「美濃和紙」「雁皮紙」という言葉は存在しますが、この二つを組み合わせた美濃雁皮紙という言葉が何を表しているのかかは不明です。
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7月29日に発売が開始されるテレビゲームのソフトに戦国BASARA3がある。私もゲームは好きなほうなのだが、残念ながらこのゲームで遊んだ事は無い。ゲームのカテゴリーはスタイリッシュ・アクションと記載されているが、どんな内容なのかが暫くゲームから離れている私にとって興味津々である。水うちわに絵付けをしている弊社の職人はバイオハザードの上級を3時間以内でクリアーするゲーム大好き人間なので、彼に聞くのが早そうである。
で、今回の話はこの戦国BASARA3のゲームの中に家田紙工が登場するという事なのです。64種類ある「ご当地資源」の一つに美濃手漉き和紙が選ばれ、その和紙の販売店舗が家田紙工株式会社なのだそうである。どんな風に登場するのか早くしりた~~い。(ご当地資源のポスターには資源の名前と社名と水うちわの写真が載せられています)
ところで、岐阜市の中でこの「ご当地資源」に選ばれたお店には他に2件あります。
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6月13日に放映されたソロモン流の中で高橋理子さんと美濃和紙とのコラボレーションの話が番組の終了間際で触れられていた。家田紙工(㈱では2009年2月に伊勢丹さんで発売された美濃和紙のグリーティングカードが初めて制作したコラボ商品であった。その後にシルクスクリーンの版画、透かし和紙の絵、伊勢丹さんのショーウインドーを飾る鳩時計など、幾つかの共同作業を経て現在に至っている。
また、今年1月にパリで開催されたメゾン・エ・オブジェにはJETROさんの協力を得て、初めて自社ブースを出し1/100brandとして商品を展示した。高橋さんはこの時にはご主人の中村さんと二人でパリを訪れ、HIROCOLEDGEの着物を身にまとってパリ市内や会場を闊歩されていた。少し勇気のいるこの行為は、メゾンの来場者や街の人々の反応を楽しんでいるようでもあり、作家としてのフィールドワークの1手法のようにも思われ、高橋理子さんをアーティストだと感じる場面でもあった。
こんな経緯を経て、一年前に汐留の日本テレビ前広場で水うちわのPRした時にお願いした高橋理子デザインの水うちわの制作に取り掛かる事になった。
先のソロモン流で放映された場面は、3種類ある中の1バーション「REN」に使用する和紙の色調確認の場面であった。この水うちわの使用される美濃和紙は保木工房の作る透かし和紙を取り入れたもので、その和紙の原料である楮を、藍で天然染めして漉き上げるという手の込んだ工程を経て出来上がる。天然の藍染なので狙った色にすることが極めて難しい作業なので、高橋さんのOKが出るまではスタッフ一同ドキドキの場面でもあった。
色の確認と撮影が同時に進められた。
出来上がった水うちわに貼り合わせられる藍染の手漉き和紙。
撮影の終了後に、和紙の色調にもOKが出されてひと安心、保木さんらと記念撮影をしました。
では、出来上がった三種類の水うちわをご覧ください。
REN
輪花(WAKKA)
ROCK
これら3種類の団扇は全てリバーシブルになっています。RENはの裏側は白のストライプ、輪花、ROCKは白の水玉になっていて、色々な表情が一つの団扇で楽しめます。
ROCKの裏側と団扇を透かして見た状態。
とってもモダンな団扇が出来上がりました。
HIROCOLEDGE&Co.の水うちわの購入を希望される方はメールでお問い合わせ頂くか、info@iedashikou.com
http://mizu-uchiwa.com/ WEB販売でご購入ください。
8月4日(水)~10(火)まで東京三越日本橋本店 本館5Fのリビングステージで水うちわの即売会があります、少量ですがHIROCOLEDGE&Co. の水うちわの販売を予定しています。8月8日(日)午後には高橋理子さんとミック・イタヤさんのトークショーが予定されています。ワールドビジネスサテライトで放映されたSUZUMO提燈も販売されます。
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