水うちわの新作が完成しました。商品名は「ひとさし」「水玉」「花々」「木々」「草々」の5種類です。今回の新作は今までの弊社の水うちわとはちょっと違います。だって、デザイナーが「ひびのこづえ」さんなのです。
ではMaking of 「水うちわ」 vol.3 としてこのうちわの製作過程などの紹介をさせて頂きます。
ひびのこづえさんはNHK教育テレビの「にほんごであそぼ」「からだであそぼ」のセット衣装を担当中です、TVで観た方も多いのではないかと思います。新作の水うちわにもひびのさんの世界観が反映されたとても素敵なものに仕上がっています。
まず、出来上がった5作品をまずご覧ください。
左から草々、花々、木々、水玉、ひとさしです。
この中で左の4点は「小割」と言う手法で竹骨が作られています。
より繊細なうちわを目指すひびのさんの要望により、今までの竹骨をさらに半分に割いて作られています。半分に割くと単純にうちわの骨の本数は倍になりますので、骨を支える糸を編みこむ数も倍になります。細くなった竹のおかげで水うちわの繊細さは増しますが団扇職人の仕事はかなり大変になります。
団扇の糸を編む浅野貴徳さん(画像の竹骨は通常のものです)
最初の画像に戻ってください。次に右はしから2点のひとさし、と水玉の説明をします。この2点は今までの水うちわとはかなり様相が違います。水うちわのカテゴリーを超えた水うちわと言ってもよいかもしれません。その理由は文様にあります。従来の水うちわは手書きや刷毛、プリント等によって絵を付けて文様を表現していましたが、この2点のうちわの文様の表現は和紙なのです。ひとさしの黒い花のモチーフは、この形をした和紙を漉いた後に黒染めしたものを団扇に張って作られています。また同じように水玉は所定の位置に穴の空いた和紙をすいて、その和紙を同じく黒染めをして団扇に張っています。水玉の形は絵ではなく、穴の空いた和紙で文様が作られているのです。
特にこの2点はひびのさんのコスチューム・アーティストとしての表現が強く反映されているもので、実物を見て頂くと良くわかるのですが、和紙の縁に見られる楮の繊維のもやもやのマチエールが独特の作品のような存在感を水うちわに与えています。
では、ひとさしと、水玉に使う手漉き和紙をご覧ください。この和紙は保木工房と弊社の共同で作ったものです。独特の技術により、ひびのさんのデザインしたモチーフの形をそのまま手漉き和紙で作りました。また、水玉も同じくひびのさんのデザインレイアウトした水玉を所定の位置に並べて漉いてあります。和紙の質感だけでも美しいのでご覧ください。
中央の「木々」は切子ガラスのような質感!
この団扇の文様は透明性のある黒でプリントされています。木々のモチーフの部分には色がありません。そのためにニスを塗って仕上げたうちわの文様部分は透けて見えます。ちょうどキリコガラスのような透明感を木々のうちわでも味わうことができます。
もちろん、花々、草々も生成りの小割で竹骨が作られていますので、より繊細な水うちわらしい自然な美しさを味わって頂けます。
これらの5点は三越百貨店さんでの先行販売品目で合計120本の限定生産品です。
三越栄店さんでは6月3日より6階の催事場で販売をしていますが、名古屋店での販売分の「ひとさし」は既に売り切れました。残りの4種類も残り僅かですので、ご希望の方はお急ぎください。この後に東京日本橋本店、銀座店などでも販売を予定しています。
また、6月12日、13日には絵付けの実演、14日、15日には竹骨製造の実演をしますので、是非会場までお越しください。
最近のコメント