水うちわとトレーサビリティ
NIKKEI DESIGN につづき NIKKEI MAGAZINE の表紙にも弊社の水うちわのアザミの柄の絵付けの工程を掲載していただきました。日経関係者の皆様ありがとうございます。
掲載誌面では岐阜でうちわの専門店として1軒だけ残る住井冨次郎商店さんと一緒に掲載していただきました。弊社の水うちわと住井冨次郎商店さんのうちわとの違いを比較していただくのも楽しいかもしれませんね。
さまざまなメディアに掲載された後の反響は大きく、HPやブログのカウントもウナギ昇りで、販売先のお客さんにも多くの問い合わせを頂いた様で、売り切れ店舗が続出しました(申し訳ありません!)。
実際に「水うちわ」をご購入いただいた皆様や、関心もってお問い合わせをいただいた皆様、商品を掲載して頂いた雑誌の関係者の皆様、TV、ラジオ局の報道関係者の皆様、HPやブログを訪問してくださった方々にあらためてここでお礼を申し上げます。
「ありがとうございました。」
皆様の温かい気持ちで岐阜の「水うちわ」は新しい命を頂いてすくすくと育っています。
(左ページの左半分が弊社の商品に関して記述された部分です。)
さて、私もWEBでの水うちわの反響が気になる人なので、よくネットサーフインで関連するサイトを拝見します。そんな中でも、高価な水うちわを購入いただいた方の良い感想が掲載されたブログに出会う事が何より嬉しいと感じます。「ゆう」さんありがとうございました。
ところで、弊社の水うちわですがかなり高価なために、百貨店での店頭販売や展示会では良く値段の質問を頂きます。「何故この団扇は高いの?」
この質問の回答として商品のトレーサビリティをお話させていただいています。最近よく食品の偽装問題なので耳にする言葉でもあります。団扇のトレーサビリティて何だ?と変に思われる方もいると思いますが、形のある商品は「何時、誰が、何処で作ったものか」という情報と作られた物の調達先等の情報をお話するのです。
「水うちわ」の場合に把握する内容は主に下記のようなものがあります。
1)雁皮紙等の原料はどこで採取されたものですか?
2)雁皮紙は何時誰が漉きましたか?
3)うちわに使われる竹の品種は何で、何時何処で採取されましたか?
4)うちわの竹骨は何時、誰が作っていますか?
5)うちわに描かれた絵の具は何ですか?
6)うちわに描かれた、絵は何時、誰が描いていますか?
7)うちわに使うニスの原料の採取地はどこで、何時作られたものですか?
8)うちわのニスは何時誰が塗っていますか?
文末にこの質問の回答を記載しています。
弊社の一部の取引先にはこれらの情報開示を希望される方もあります。何やら難しい話になってしまいましたが、簡単にイメージして頂くにはスーパー等の食品売り場で見かける。「△△産、無農薬、朝どりトマト、○○さん、私が作ってます」的な事なのです。
現在販売されている弊社の水うちわの雁皮紙は美濃の手すき和紙の職人のユニット「コルソヤード」の二人が、岡山周辺で採取された雁皮の原料を使い、2007年の秋~2008年の初夏にかけてわくわくファームで漉いた和紙を使っています。水うちわの美しさには彼らのもつ伝統の技が寄与しています。
ここで少し雁皮紙の価格の話をします。
例えば、水うちわに使われる手漉きの雁皮紙、1枚の価格も安いものではありません。
弊社では水うちわ用の極うすの雁皮紙は販売していませんが、同じコルソヤードが作った和紙で、比較的簡単に漉くことのできる楮和紙を販売していますので価格をご参照ください。
また同じ雁皮紙で水うちわの縁に補強用に貼る厚口の雁皮紙は幸草紙工房のものを使っています、この紙の価格はこちらです。
どうですか?結構良い値段ですよね。
ちゃんとした工程を経て作られた手漉きの紙の正直な値段です。勘違いしないでくださいね、弊社は暴利をむさぼっているのではありませんから。
水うちわ用の雁皮紙を約300~400枚を製作するためには、およそ2週間を費やします。1枚の雁皮紙は美濃判というサイズで漉かれています。美濃判1枚は裏と表の両面に張る1個分の団扇の材料になります。
しかし、紙漉きは天候にも大きく左右されます。運悪く悪天候が続くと、仕上がり枚数はかなり少なくなります。最悪の場合、漉いた紙を板干しで乾燥するタイミングを失うと、紙が腐敗してしまい、全てがダメになってしまいます。防腐剤などを一切使用していないオーガニックな和紙であるために、乾燥していない状態での腐敗は早いのです。
この後にも1本の水うちわを完成するまでには,まだまだ沢山の工程が控えています。
今の私たちの生活の中には数多くの輸入品があります。工芸品と言われる多くのものも最近では海外で生産されて輸入されたものが多く、純粋に国内で生産されたものを見つけるのも難しくなっています。弊社の1/100ブランドの商品にも1部海外で生産したものもありますが、多くのものは純粋な国内生産を前提に作られています。
別に私は海外での生産を否定している訳ではありません。そうではなくて、水うちわを製造、販売することが美濃和紙や団扇や絵付けに関わる手作業の職人達のそれぞれの仕事を生業として位置づけることができる一つの道筋になれば良いなと考えています。もちろん、岐阜の地域資源や観光資源を活性化できる存在になれば、とても有難いことだと思います。
ローハス(Lifestyles of Health and Sustainability) という言葉の中にある、サスティナビリティ・持続可能性という言葉を実現するには、やはりそれなりにお金がかかるのです。
大変に高価な水うちわですが、ご購入いただいた皆様が支払われた代金は、美濃和紙の職人達や、丸亀に残る数少ない国産竹うちわ職人の浅野さんや、弊社の絵付け職人達を支える礎になっています。ご購入のお客様に改めて感謝いたします。
上段の質問に対する回答(2008年度販売分に関する資料です)
1)採取地(岡山周辺の山中)
2)和紙職人(澤木健司、倉田真) 製造地(美濃市のわくわくファーム) 製造期間(2007年9月~2008年6月)
3)採取地(香川県、丸亀周辺の竹林) 品種(真竹) 伐採期間(2007年11月~2008年2月)
4)団扇職人(浅野貴徳)製造期間(2007年12月~2008年7月)
5)6)・刷り込み、手書きによる絵付け職人(家田忠幸、板垣洋子)、具(顔料、膠)を使用
・シルクスクリーンによる絵付け職人(角野正俊)、具(顔料・定着剤としてアクリル系水性エマルジョン、製造メーカーによる安全データシートあり)
・インクジェットプリントによる絵付け(家田宗典)、具(水性顔料・インク製造メーカーによる安全データシートあり)
上記の制作期間(2007年12月~2008年7月) 絵柄により手法が混在します。
7)原産地 タイランド (ニス製造メーカーによる安全データシートあり)家田紙工の工場内での独自レシピにより天然ニスを調合します。もちろん100%オーガニックです。
8)ニス塗り職人(久世敏康) 製作期間(2007年12月~2008年7月)
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